子育てコラム

<宝物とは>

 

  「合格の神様」が祀られていると言われるような神社があります。そこのお守りを買えば合格というご利益がもらえる……。受験はただお守りを買ったからと言って合格を得られるほど甘いものではありません。もちろんそうした考えや行為そのものを否定するわけではありません。ですが自分にとって心からお守りのようになるものは何だろうと考えたとき、それまでの過程そのものであったり、過程での取り組みが形として残っているものであったりするのではないかと思います。

 

 

 

例えば1冊の問題集。

 

受験生の間では有名なもので、多くの人が持っている問題集。しかし、受験当日までに何度も何度も解き直し、大事な箇所にはたくさんのアンダーラインやら赤線やらが引かれている。いつもカバンの中に入れて持ち歩いていたので表紙はボロボロ、かなり汚れも目立つ。この問題集はおそらく入試当日に「お守り」のように感じられると思います。

 

 例えばレゴで作った車。

 

一見色使いも単調で形もそれほど際立つものではありません。しかし、完成に至るまでにタイヤが何度も外れて付け直した。ものを載せる部分は実際に何かを載せると壊れてしまう。強度を上げるために一度解体し最初からブロックを組み直した。他にも細かい箇所で数えきれないほどの作り直しの末出来上がった車。

 

完成した車の素晴らしさは他の誰よりも作った本人が感じることができます。

 

 例えば手帳。

 

日記として一年の記録がびっしりと書き込まれている。月毎の目標が記入されていて途中での進捗状況がわかる。目標が達成できていない時には分析と反省の言葉が残っている。手帳の使い方は様々だと思いますが、書き込めば書き込むほど書き込んだ本人にとってかけがえのないものとなります。

 

現在の世の中では価値を決める基準の多くは、お金にあります。お金がたくさんかかるものに価値があって、そうでないものは価値がないと思われがちです。または数値的に希少なものに価値があるとなるのでしょうか。

 

でも自分にとっての価値とは、自分で決められるという側面もあると思います。心を込めて向きあったもの、日々時間を共にしたもの、こだわりを持ち続けたもの、そうしたものこそが自分にとってかけがえのないものであり価値あるものと言えるはずです。

 

“宝物に囲まれた生活”誰しもが憧れるけど実現できない夢の世界。本当はそうではなく、宝物は既に日々の生活の中にたくさん存在しています。そして宝物を多く創りだす方法は、心を込めて物事に取り組むこと。それに尽きると思います。

 

                    (奥松亮二)