小児自閉症の診断基準(ICD-10)

☆小児自閉症(自閉症)

A.3歳以前に、次にあげる領域のうち少なくとも1項の発達異常または発達障害が存在すること。

(1)社会生活のためのコミュニケーションに利用する受容性言語または表出性言語。

(2)選択的な社会的愛着の発達、または相互的な社会関係行動の発達。

(3)機能的遊戯または象徴的遊戯。

 

B,(1)(2)(3)から併せて、少なくとも6症状が存在し、そのうち(1)から2項以上、(2)と(3)からそれぞれ1項以上を含んでいること。

(1)  相互的な社会関係における質的異常として、次にあげる領域のうち少なくとも2項が存在すること。

  1. 視線・表情・姿勢・身振りなどを、社会的相互関係を調整するための手段として適切に使用できない。
  2. (機会は豊富にあっても精神年齢に相応した)友人関係を、趣味・活動・情緒を相互に分かち合いながら十分に発展させることができない。
  3. 社会的・情緒的な相互関係が欠如して、他人の情動に対する反応が障害されたり歪んだりする。

または、行動を社会的状況に見合ったものとして調整できない、あるいは社会的、情緒的、意思伝達的な行動の総合が弱い。

. 喜び、趣味、達成感を他人と分かち合おうとすることがない。(つまり、自分が関心をもっている物を、他人に見せたり、持ってきたり、さし示すことがない。)

 

(2)  コミュニケーションにおける質的異常として、次にあげる領域のうち少なくとも1項が存在すること。

  1. 話し言葉の発達遅延または全体的欠如があり、身振り手振りでコミュニケーションを補おうとする試みを伴わない。(喃語で意思の伝達ができなかったという既往のあることが多い。)
  2. (言語能力はさまざまな程度に認められるにもかかわらす)他人とのコミュニケーションで相互に会話のやり取りを開始したり、または持続したりすることにたいてい失敗する。
  3. 常同的・反復的な言葉の使用、または単語や文節の特有な言い回し。
  4. さまざまなごっこ遊び、または(若年であれば)社会的模倣遊びの乏しさ。

 

(3)  行動や興味および活動性のパターンが制限され、反復的・常同的であるが、次にあげる領域のうち少なくとも1項が存在すること。

  1. 単一あるいは複数、常同的で限定された興味のパターンのとらわれており、かつその内容や対象の点で異常であること。または、単一あるいは複数の興味がその内容や対象は正常であっても、その強さや限定された性質の点で異常であること。
  2. 特定の無意味な手順や儀式的行為に対する明らかに脅迫的な執着。
  3. 手や足を羽ばたかせたり絡ませてり、または身体全体を使って複雑な動作をするなどといった、常同的・反復的な奇異な運動。
  4. 遊具の一部や機能とは関わりない要素(たとえば、それらが出す匂い・感触・雑音・振動)へのこだわり。

 

C.その臨床像は、次のような原因で起こっているのではないこと。つまり、広汎性発達障害の他の亜型、二次的な社会的・情緒的諸問題をともなう受容性言語の特異的発達障害、反応性愛着障害、

または脱抑制愛着障害、何らかの情緒ないし行動の障害をともなう精神遅延、ごく早期に発症した精神分裂病、レット症候群など

出典/「ICD―10 精神および行動の障害 DCR研究用診断基準」(医学書院)